MICE誘致に力を入れるシンガポール
日本でも有名なマリーナベイサンズの誘致や、セントーサ島のリゾート開発など、シンガポールは数年前から本格的にMICE誘致に力を入れ始めた国のひとつです。
マリーナベイサンズはホテル、カジノ、ミュージアムなどの他にコンベンションセンターも併設された複合施設です。
コンベンションセンターの総面積は約120,000平方メートル。
約2,000の展示ブース、250の会議室、45,000人以上を収容できる会議・展示スペースを有しています。
8,000平方メートル以上の大型宴会場では、宴会用におよそ6,600人、ステージ・パフォーマンス用におよそ7,000人が収容可能です。
また、講堂スタイルの講演向けに最大11,000人分の座席も備えています。
シンガポールはセントーサ島のリゾート開発にも積極的で、2010年にはリゾート・ワールド・セントーサという複合リゾートがオープンしています。
1830室の客室数を誇るホテルや、シンガポール初となるカジノのほか、ユニバーサル・スタジオ・シンガポールがあり、2014年には安倍首相も視察に訪れていて、その注目度の高さが伺えます。
2014年にはナショナルスタジアムも新しく生まれ変わりました。
35ヘクタール、サッカー場およそ50面分の広大な敷地に、スタジアムだけでなくアクアティックセンター(プール)や室内競技場、図書館、ショッピングセンターなど様々な施設が立ち並んでいます。
実はこけら落としはサッカーの日本代表対ブラジル代表の試合でした。
サッカーファンでなくても、これは日本で開催されてもよかったのではと考えた方も多かったと思います。
2015年9月にはMICEエキスポも開催される予定。
このことからも、MICE誘致を国家戦略に据えて、ビッグイベントの誘致に力を入れていることが伺えます。
シンガポールがMICE戦略において注目を集めるのは、移住者が多く、その移住者を訪ねる旅行客が多いこと、また、周辺国から安く旅行客を招くことができるという強みが大きいと思います。
また、アジアのハブ、チャンギ空港からシティセンターまでのアクセスの良さは世界一利便性が高いと言われているのも、シンガポールが注目される理由のひとつでしょう。
このように見てみると、もちろん場所にもよると思いますが、日本のMICE戦略において学ぶべきことは次の3点だと考えられます。
1. 空港の整備によるアジア諸国からの旅客増加戦略
2. 移住者増加戦略
3. インテグレーテッドリゾート戦略